第10夜・家の中に誰かいるんです

とにかく全部異様な部屋だった。あまりのことで呆然としていたら、Aさんが後ろからボソッと言ってきた。 「……いるでしょ?」って。その顔がね、もう気味悪いんだよ。生気のない目でニタって笑ってんの ──

第9夜・能力

ニューヨークの地下鉄を私はよく利用する。毎朝通勤の度に地下鉄構内で何やらぶつぶつ言ってる一人のホームレスの男がいた。男の近くの壁に寄り掛かり内容を盗み聞きした。目の前をおばさんが通る。すると男は「豚」と呟いた ──

第8夜・避難所

ある地方で大きな地震があった。避難所の小学校で寝ることにしたが人があふれ騒がしくてとにかく暑い。涼みに外にに出ると明かりのついてない建物を見つけた。そこはとても涼しく、静かなので多くの人が横になっていた ──

第7夜・侵入者

深夜、2階の自室で眠っていた私は、階下の妙な物音に気付いてふと目が覚めた。「玄関から誰か入って来た・・・?」そう思った瞬間、バクバクと鼓動が早まった。 夕方見たニュースが頭をよぎる。(殺人犯、近辺に潜伏中か?捜査大詰め段階) 急に脇の下に冷たい汗が流れるのを感じた。

第6夜・じわ怖といえば最近の俺のカーチャンだなw

なんかさー、最近夜中に外に出るんだよ。パジャマ姿で。この間寝つけなかった時、玄関の鍵の音がしたんだよ。がちゃって。それで気になって窓から玄関の方を見下ろしたら、カーチャンだったんだよ ──

第5夜・送ってあげなきゃ駄目じゃないか

「....椅子出して」「椅子って」「康雄が来てるじゃないか。」よく見れば、祖父の視線は「私」ではなく私の「後ろ」の入り口を見ていた ──
有名怪談

第4夜・猿夢

学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。でも皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。 それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れバイトなんぞに勤しんでいました。そしてある晩、急に始まったのです。
有名怪談

第3夜・八尺様

「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」と言っても「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。
有名怪談

第2夜・裏S区

写真を置くと写真の顔が変形するんだよ、それを見るのが耐えれないほどの奇怪なモノだから、この地域ではこういうやり方でやるんだ。名前の書いた紙をびっしり貼ってるのはコイツはAだ。××××ではないんだ、っていう証なんだ ──
有名怪談

第1夜・コトリバコ

俺は怒ってますよ。俺の父もね。ただ、顔も知らない先祖の約束を守り続けないといけないって言うのは、相当酷な話だというのも分かります。逃げ出したいって気持ちも。俺だってそうでしたから。俺だってあの日、箱を見ただけで逃げ出したかった ──
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